第七回
濡れた夏の制服は不二の肌にペタリと密着し、
身体のラインを鮮明にさせ、不二の華奢さ加減があらわになっていた。
テニスをしているくせに細い腕。
力を込めて締めれば折れてしまいそうな首。
無駄な肉がない故に薄い身体。
今この想いを全て込めて抱きしめたら壊れてしまうような腰・・・。
その不二を象る1つ1つのパーツが手塚をケダモノへと駆り立てていく。
少し、また少しと理性の欠片たちが剥がれていく。
早く打ち出した鼓動は冷めることを忘れ、不二から目をそらすことすら気づかない。
自分の中のケダモノに気づきながら手塚は冷静を装う。
「そのままの格好では風邪をひいてしまう。風呂に入れ。着替えは俺のを貸してやるから」
「ありがとう」
不二が目の前から消えた瞬間、なんともいえぬ安堵感が手塚を襲った。
ふぅ、と溜息をついたら全身から力が抜け落ち、居間のソファに崩れ落ちた。
早鐘のように打っていた鼓動は落ち着きを取り戻した。
風呂上りに不二に貸してやる服を取りに行くため手塚は自室へ向かい、適当に服を選び、脱衣所に置きに向かった。
風呂場からは水の動く音がする。
不二の動く気配がする。
ドクリ。
静まっていた心臓が激しく打ち始める。
ドクン・・・ドクン・・・
1つ呼吸をするたびに心臓の音はスピードをあげてゆく。
加速していく心臓と、不二への想い。そして自らの欲望。
「不二、着替えは置いておくからな」
「ありがとう・・・ごめんね」
「あぁ・・・」
湿気を帯びた不二の声。
短い返事をするのが精一杯だ。
不二の何から何までが自分を絡みとって離さない。
居間で不二が風呂から出てくるのを待つ間、
手塚は再び冷静を取り戻そうと紅茶を飲み、読みかけの本に目を落とした。
本を読んでいても思い浮かぶのは不二のことばかりだ。
不二が自分の思考回路から離れない。
自らの欲望に晒される不二の姿のイメージが消えない。
カタン
「手塚、お風呂と着替えありがとう・・・迷惑かけてごめんね」
目をあげて不二を見た瞬間、体内のケダモノが牙をむきはじめた。
心臓は今日1番の早さで鼓動を刻む。
サイズのあわないシャツを着た不二の胸元ははだけたかのように開いていて、色素の薄い肌をさらけ出していた。
これ以上ないくらいに無防備に。
濡れた髪からしたたる雫からは雨のにおいではなくシャンプーの香りがする。
「多分・・・手塚のお母さんのだと思うんだけど・・・
僕のと同じのがあったからシャンプー借りちゃったんだけど・・・勝手に使っちゃってよかったのかな?」
「あぁ、別にかまわん・・・」
「手塚?」
あまりに無防備な不二を見ていると自分が何をしだすかわからなかった、
それゆえに手塚は不二に目をあわさず会話をしていた。
していたのに・・・そんな手塚を不思議がって不二が床に座り込んでソファに座る手塚を見上げた。
「どうしたの?」
手塚の理性はどこかへ吹き飛んでしまった。
「不二・・・!!」
手塚は強引に不二を抱き寄せ露になっている白い肌に幾度となく口づけをし、
不二の身体に痣を刻んでいった。
「や・・・手塚!!」
不二が抵抗して手塚をどけようと手を伸ばすが手塚の方が体力的にも一枚上手だ、
華奢な不二が手塚に敵うわけもなく不二の肌は少しずつ外気に触れ、手塚に触れられてゆく。
「あ・・・やだ、手塚・・・!」
野生の獣が餌を食べるように、手塚は不二の身体を侵食してゆく。
「ん・・・あぁっ・・・」
不二が背中に立てた爪が肉に食い込み、微かな痛みを感じる。
しかしそれも気にならないほどに手塚は不二の身体を奪い去っていく。
「手塚っ・・・」
TO BE CONTINUED・・・
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