第四回目
不二と校門で別れた後、手塚は数メートル歩いて後ろを振り返った。
その目に映ったものは自分が切望してやまない光景。
不二と忍足の間の空間。
隙間なく体が触れ合う間際にまで密着して二人の距離に手塚は今までに感じたことのない感情・・・嫉妬を感じた。
自分と不二が共に歩いていてもあんな風にはならない。
二人の間には冷たい空気が一筋流れ込むような空間がどうしても生じてしまう。
しかし手塚は忍足のように自らその距離を縮めることはできない。
そうできるほど手塚は素直ではなかった。
自らの性格を疎んじたことなどなかったがこの時ばかりは自らを変えたい、と願った。
そしてなにもできない自らを攻めこれ以上二人を見ぬように帰路へついた。
駅前のマクドナルドは夕飯には遅すぎる、だが夜食には早すぎるという微妙な時間帯だったため非常にすいていた。
「不二、何食べるん?おごっちゃるわ」
「え〜悪いよ〜?」
「ええって。オレから誘ったんやし、それくらいさせてや」
「う〜ん・・・じゃ、ごめん。烏龍茶とアップルパイお願いするね」
「ちゃうって不二。こういうときは”ありがとう”やろ?ほな、烏龍茶2つとアップルパイとチーズバーガーな」
「あ、うん。ありがとう。席、取っておくね」
お礼を言うと不二はスタスタと二階へ上がっていき。
忍足はその背中を見守っていた。
不二と付き合う、というかつきまとうというか・・・
不二にちょっかいをだすようになってから3ヶ月が経っていたが今だ不二の気持ちが霧に包まれていて不二、という人物が掴めない。
<何考えてんやろな〜不二は>
自分が嫌われてないのは分かるが好かれているかと聞かれるとスグにYESとは言えない。
何を考えているのか分からないヤツと言ってしまえばそれまでなのだが、どうも気になるのだ。
不二の本当の気持ちというものが。
ここまで他人の気持ちを知りたいなど思ったことがなかったためよりいっそう不二へ興味を持ってしまう。
それが深みにはまっているということは忍足自身分かっていたし、ヤバイとも思っていた。
大阪にいたときは忍足の冷たさ、他人への無関心さのあまりに何人の元彼女が泣き、
別れていったのか彼自身覚えていなかったし気にもしなかった。
けれど不二は違う。
何故か惹かれるのだ。
不二のことに関してはもっと知りたい、と不二の気持ちを知りたいと願わずにはいられない。
昔付き合ってた不思議系の女とは違う不思議な人間なのだ。不二は。
自分の前で明るくかわいらしく笑う不二。
ふと目を離したのち振り返るとひどく冷静で冷たい空気を纏った表情になっている。
自分の目線に気づくといつもの、明るい不二に戻る。
その冷たい不二が本当の彼かどうかもあやしい。
「あの〜・・・次のお客様がお待ちになっているので・・・」
ハッと気づくと自分が注文したものはとっくにトレイにのせられていた。
「あぁ・・・。悪い。ボッとしとってん。ほな」
忍足は急いでトレイを取り、不二の待っている二階へ向かっていった。
TO BE CONTINUED・・・
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