硝子のような不二の瞳から一筋零れ落ちた泪。
透明な筈のソレは不二の瞳の色を反射させてか
光に透かせた硝子玉若しくはソラから見た地球のような色をしていた。






LOST





不二と一緒に過ごして時間が経った。
そう、時間が経っている感覚だけは失われていない。
ただ、何日、何時間過ぎたのかが分からないだけで。


窓も時計もなにもない、ただ二人だけがいるその空間にオレたちは居る。


胸に抱いていた不二がもぞもぞと動き始める。
また昨日も抱いて硝子色の泪を零させたばかりだ。
泣かせたいわけではない。
愛しているのだから。


「手塚・・・」
目を覚ました不二がオレを見上げる。
泣いて充血した目に浮かぶ青い蒼い瞳。
血の中に落とした宝石のようだ。
「どうした?不二」
頬に手を寄せ、顔を寄せる。体中の感覚で不二を感じれるように。
「なんでもない」
そして不二はまた瞳を閉じる。
閉ざされた瞳からはまた一筋泪が零れ落ちる。
蒼い瞳に反射しなくても不二の泪は美しいと感じる。



失った何かを、不二は哀しみ泪を零す。
得た何かを、不二は愛しみ泪を流す。



オレたちが失ったもの。
時間、太陽、世界、自由、そして希望。
オレたちが手に入れたもの。
互いの身体、精神、そして絶望。



未来永劫この密室で
不二を抱いて眠りにつこう。





END



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