「不二さぁ、オレのこと、好き?」
放課後の3年6組の窓辺で唐突に聞いた冗談とも取れるような英二の言葉。
猫のような気まぐれな瞳は決して冗談を語ってはいなかった。
監禁希望
「何言ってるの?」
英二の真剣な瞳の熱に少し恐怖を感じていつもの冗談を装い微笑み返す。
けれど英二は一寸たりとも冗談の素振りを見せずに此方に視線を送る。
「だから〜、オレのこと好きかって聞いてンの」
「別にキライじゃないけど?」
「そうじゃなくて、好きか、嫌いかって聞いてンの」
「どっちかって言うと好き」
「ふ〜ん」
すっと、目を逸らし窓に英二がよりかかる。
納得したのかしてないのか。
窓の外の下校途中の生徒たちを見送りながら英二がボソリと一言を漏らす。
「オレ、不二のこと飼いたいんだよね」
「え?」
再度振り向いた英二の微笑みが網膜に焼きつく。
其れが最後の外界の映像。
腹部に重たい痛みを感じ、僕はそのまま瞳を閉じ、意識を手放した。
「不二のこと、飼いたいって言ったんだよ」
愛してるから、不二を。
大好きだから、不二が。
誰にも触れさせず、誰にも見せない。
オレだけの不二。
倒れた不二の身体を肩に担ぎ英二が教室をあとにする。
「今日から、不二はオレだけのものだからな」
そう一人ごちながら。
END
BACK