if・・・
もしも僕らの間に愛が存在したなら・・・
「本当にいいのか?不二」
「いいんだ、乾」
そっと乾の首に手を回す。
乾も諦めたように僕の首筋に幾つもの口づけをおとしていく。
口から零れる熱い息も、求めた身体も。
すべて代用品の僕らに。
キミは僕を必要としてくれない。
キミは僕を見ない。
キミは僕を愛さない。
僕はキミを愛さずにいられない。
ねえ手塚。僕はキミに総てをあげたかったよ。
心も身体も、総てを。
徐々に紅くなる口づけの痣。
反応し、濡れていく僕の身体。
時々耐えられずに漏れる声。
総てをキミにあげたかったよ手塚。
「ごめんね、乾」
ベッドの上に座り込み、背中越しに乾に話しかける。
「乾は、海堂のこと好きなのにこんなことさせて、ごめんね」
座り込んだ膝の上にポタリポタリと涙が零れる。
「いいさ。不二」
そっと伸ばされた大きな乾の掌。そしてゆっくりと撫でられる髪の毛。
「いいんだ。」
もうこれ以上は言うな、と空気で話しかける乾の優しさを、自分の愚かさを思うとまた瞳から雫があふれ出してきた。
「でも、もうコレきりにしような、不二」
ベッドのスプリングを軋ませ乾が起き上がる。
そして脱ぎ捨てられたカッターシャツを羽織り、帰り支度を始める。
ねえ乾、もしも僕らの間に愛が存在したなら
僕らはどんなに楽だったのだろう。
ねえ手塚、もしも僕らの間にあったこの関係を
キミが知ったならキミはどう思うのだろう。
ねえ、誰か、僕に愛をくれるのは手塚だと言って?
END
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