ひとりぼっち
僕は昔から誰かに依存していたのかもしれない。
小さな時は裕太に頼られるのが大好きだった。
中学に入ったら手塚の近くにいなければ生きている心地がしなかった。
そして今。その手塚がいなくなる。
そしたら僕はどうなるんだろう。
とりとめのない考えが浮かんでは消え、浮かんでは消える。
ぼんやりと差し伸べた腕の先では先程出逢った忍足侑士が寝息をたてている。
不二は独り、天井を仰ぎながら指の隙間から見える世界でしゃぼんだまのように
儚い思案を続ける。
手塚がいなくなって、僕の居場所がなくなって。
僕の居場所・・・。
ごそごそと隣に眠る忍足の胸へ擦り寄っていく。
頬を胸にあてると確かな鼓動と人の温もりを感じられた。
人より若干体温の低い不二の冷たい皮膚が自分に触れた感覚で忍足はゆっくりと瞼を開く。
「どないしたん?」
まだ寝ぼけ眼の状態で不二をさらに自分の方へ引き寄せる。
「オマエはココで寝とき・・・」
片腕を不二の肩に回し、そっと抱き寄せまた忍足は眠りについた。
肩に触れる忍足の熱が、そして何よりその口から発せられた言葉が。
不二の気持ちを溶かしていく。
僕の居場所。
新しい僕の居場所。
そっと忍足の胸に耳をあて、彼の心音を聞いてるうちに不二はぐっすりと眠りについてしまった。
ここまで安心して眠れたのは何時以来だろうと
薄れゆく意識の中で思いながら不二は瞼を閉じた。
不二が瞼を閉じ、可愛らしい寝息を立て始めたと同時に忍足はゆうるりと目を覚ました。
「さて。眠り姫。どないしてあげましょうかね?」
腕の中の不二を見下ろしながら不敵に忍足は微笑んだ。
END
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