試合会場を2人の青学テニス部のレギュラーが歩いていた。
「さあデザートデザートv」
一人は桃城。嬉しそうに手のひらのカップを見つめる。
「何それ?」
もう1人は河村。桃城よりも1年年上だ。
「ババロア」
桃城はにっこりと笑って河村に返した。
「美味そー!!さっきリョーマ親衛隊のあの娘達が差し入れてくれたっス」
そう言って桃城は誇らしげに河村に差し出した。
が。
―――ドン
何かにぶつかって体のバランスに崩し、手から容器が滑り落ちてしまった。
「おっとワリィ・・・」
相手は無愛想にそう述べただけである。しかしその相手は次に対戦する・・・
「六角中!?」
桃城は小さく声をあげる。そしてぶつかった相手のラケットを見てはっとさっきのやりとりを思い出した。
(と、とんでもなく長いラケット!?)
六角中には長いラケットを使い、氷帝のテニス部員100人を倒したというやつが居るらしいという噂だ。
(コイツか―)
手から滑り落ちた容器をよりもそれに目を奪われる。
その時だった。
―――ブワッ
その相手が長いラケットを振る。気がついたときには桃城の鼻先でそのラケットの先端が止まっていた。ラケットの上には落としたはずのババロアが地面に着いてしまう前にすくい上げられ、その上に上がっていた。
「ジジイが食ってもババロア」
は?
今のギャグ?
あっけにとられている桃城と河村。
「・・・プッ」
が、言った張本人は何がそんなに面白かったのか堪えきれないといった風に笑いを漏らした。
勿論そのくだらない冗談にもう1人の六角中の生徒はだまってはいない。彼はジャンプした。太陽を背に意気揚揚と。
「バネさんちょっとタンマ!!」
「うるせぇこのダビデがっ。聞き飽きたぜ!」
そして2人の取っ組み合いがはじまってしまった。六角中2人のお笑いステージをただあきれた顔で見る桃城に、ツッコミは気付く。
「ハイ悪ぃ、勘弁な」
そう言って桃城にババロアの入った容器を差し出す。それを桃城が受け取るのを確認すると彼は言った。
「アンタ青学のレギュラーなんだな。俺は黒羽春風。こっちは天根ヒカルっつうんだ」
黒羽は話すと同時に手を出す。
「一緒に試合するかどうかは分かんねえけどよろしくな」
「ああ、こちらこそ・・」
そう言って桃城も手を出しかけたときだった。
「ふふっ、面白い」
この4人の中の者ではない声に全員が振り向く。視線の先には青学ジャージに身を包んだほかのレギュラーがいた。
「笑うところスか?不二先輩」
そう、それは不二だった。ふふっとまた浅く笑い声をもらしながら近づいてくる。
「だって2人のかけあいが面白いんだもの、黒羽君と天根君」
「コイツのいう事はホントくだらいないぜ、不二周助、さん」
黒羽がそう言って不二にむかって笑った。が、天根はただ呆然と、顔色を何一つ変えるでもなく不二をじっと見る。
不二はただふわりと微笑むと2人の間を通り抜けようとした。
「待てよ」
ようやく天根は口を開いた。でも不二は振り向こうとはしない。一応足だけは止めてみせはしたが。
「アンタが不二周助?」
「佐伯君はどこにいるか知ってる?」
不二はうん、ともううん、とも答えなかった。逆に別の質問を天根に返す。
「一番外れの使われてないテニスコート」
「ありがとう。彼をちょっと借りるね。何か用があるならそこに居るから呼びに来て」
「もうすぐミーティングだからもう少ししたらうちの部長を行かせる」
「了解」
ひらひらと後ろ手に手を振ると、今度は振り向くどころか立ち止まろうともせずに行ってしまった。
「相変わらず物腰の穏やかなヤツだな、不二周助」
黒羽が不二の後姿を見送りながら呟いた。
「俺、あいつと対戦するのやめた」
「はぁ?」
そう言ってニヤリと笑う。あまり人のいい笑い方とは言えなかった。
「可哀想じゃん。あいつが俺に負けたら」
「お前・・・」
ただそれだけを言い残すと、天根はさっさとその場を立ち去る。
何かが変わろうとしていた。何かが・・・。












end


一度書いたSSがすべて消えました。ぶっちゃけこれ書くの死ぬほど嫌でした。2度も書けないよ!どういう話だったか覚えてないし!(理由:ネタがないまま書いてるから)まあともかく終わりましたよ不二誕生日企画。不二リョのキリリク書いたら連載もいい加減終わらせるのでもう少し待ってくださいね!