僕たちはいつも一緒だった。
この世界にたった二人しか存在しないかのようにいつも二人っきり。
手を繋いで背中を合わせて。
お互いの心音と体温を背中と掌で感じて、ここにいるのだと互いを納得させていた。
街角
二人で背中を合わせて、立春が過ぎたとはいえまだまだ寒い街角で座り込み、
さっきそこのコンビニで買ったたいして美味しくもない肉マンを頬張る。
「今日はどうしようか、不二」
「そうだね、何処に行こうか。清純くん」
あてもない行き先を決めるフリだけして二人はまた沈黙に浸る。
ぼんやりと見回した景色には人が忙しなく行き来するのだけが見える。
僕らだけが時間を持て余している。
「今日は何処に行こうか、不二」
手を繋いだまま直前で行き先を遮った遮断機を見つめる。
オレは右を、不二は左を見つめる。
「そうだね、何処に行こうか。清純くん」
僕らは今日2度目の同じ台詞を繰り返す。
電車の走り去る音が僕らの心音と会話を消し去っていく。
僕らは何処に行けばいいのだろう。
毎日逢っては、行くあてもなく日が暮れ、月が出るまで歩き回った。
まるでオレらは泳いでいなければ死んでしまう魚のようだった。
街を水族館の水槽か海かと思っていたのかもしれない。
それか一緒にいて歩き回っていなければ赤い靴を履いて踊り狂った少女よろしく
足を切られるのかと思っていたのかもしれない。
僕らは何処に行けるのだろう。
手を繋いだまま行き着いた終着点は夕陽が眩しい河川敷。
太陽が苦し紛れに吐き出した血のような色をした空が
オレと不二をも巻き込んで緋色に街を、全てを染める。
「綺麗だね」
初めて不二から言葉を紡ぐ。
「うん、此処に来てよかったね」
あてもなく歩くオレらが行き着く場所はいつも違う。
きっと明日行き着くところはまた違う場所なのだろう。
恐怖観念に追われるように僕らは歩き続ける。
僕らが居るべき場所を、居ていい場所を求めて。
街角を今日もまたオレらは泳ぎ続ける。
END
BACK
不二と千石って不思議カップルだと思うんだよね・・・。
絶対千石は頭いいの隠してそうだし・・・。
よく分からない話かもしれませんが書き手は満足してる話です、コレ
不二と千石でしかこういう話は書けない気がします。