夜を統べる



忍足くんの漆黒の髪の毛が好き、だと思う。
彼の漆黒の髪の色が部屋の闇と同化して僕は闇に抱かれる幻想を抱く。
そして僕は夜を、闇を統べる。



「不二・・・」
そっと覆いかぶさってきてその闇色の髪の毛が僕の首筋にかかる。
そのとき忍足くんの髪の毛のくすぐったさと
精神的くすぐったさがとても好き。
僕に負けず劣らずの猫っ毛。
柔らかくて、段をつけてカットされたそれは交互に僕の首筋を撫でていく。
「くすぐったいよ」
時々声をあげて笑ってしまうと忍足くんは必ず言う
「ムードの分からんヤツや」
そして僕はもっと笑い声を上げて笑う。
そして彼もそんな僕を見て笑う、「変わったヤツだ」と笑う。



僕の中の闇に気づいて、なおもそれを見ないふりをしてくれる忍足くんが好きだよ。



忍足くんに抱かれて、身体だけは満たしてもらって。
それでも心だけは忍足くんにない。
そんな僕の闇に気づいて、僕が誰に心を捧げているのか分かっていて
それでも気づかないふりをしていてくれる忍足くんが、好きだよ。



隣で気持ちよさそうに寝息を立てて眠る不二の髪の毛にそっと手を絡ませるのが好きやと思う。
細くて柔らかい不二の髪の毛は暗闇に閉ざされた部屋の中でも
光を放ってる気がする。
スルスルと絡ませる度に指からすり抜けていくその髪を見ていると
やはり持ち主に似てるんやな、と苦笑が込み上げてくる。
いくら身体を重ねても不二の心はオレには向かない。
それを目の当たりにしているようでなんや、笑いが込み上げてきた。



不二の心の闇など見ないふりをしてしまえばいい。
見ないふりをして、今まで通りに抱いてしまえばいい。
そしていつかオレのものにしてしまえばいい。
そして不二の闇を統べる瞳を奪ってしまえばいい。





人の心を捉えて離さない不二の瞳は闇を統べる。





END


BACK



忍足不二。
何時もみたいにあんまり不二黒くないようにした。
だって誕生日だから!!(意味わかんない:笑