バースディ








「今日は、誕生日だね」








ベッドにうつ伏せになった状態で不二が此方を見て微笑んだ。微笑んだ振動で
ゆらりと薄茶の髪がゆれる。さらり、そんな衣擦れの音が聞こえるようだった。
「はあ?不二の誕生日は2月やろ?俺かて10月やんか。夏の暑さで頭おかしくなったんと違うよな?」
さらりとゆれる髪を掻き分け、忍足は不二の額に手を当てる。
「熱、はないようやな。」
熱なんて、ないよ。
と不二が額に当てられた忍足の手を頬に滑らせる。
触れた不二の頬は相変わらずひんやりとしたビスクドールのような感触で
先程までの身体の熱も何処かへ行ってしまっていた。
「だから、今日は」
大きな忍足の掌を口元に持っていき、幾度となくその掌に唇を触れさせる。




初めて、忍足を想って泣いた日。
初めて、忍足を愛しいと感じた日。
初めて、忍足に愛されたいと想った日。
そして、初めて忍足に抱かれた日。






「こそばいわ、不二」
掌に何度も触れるその可愛らしい唇の柔らかさに忍足は微笑を零す。
柔らかく、不二も微笑み返しまた、何度も掌に口づけする。
「こそばい言うてるやんか不二ぃ!」




ガバっ






勢いよく忍足が起きだし不二の上に重なる。
「こんなんされたらこそばいやろ〜!!」
「やめて〜忍足くん!」
ケラケラと笑い声をあげ、不二が笑う。
優しく微笑みながら忍足は不二の首筋に幾つもキスの雨を降らせる。
「くすぐったい!!」
二人仔犬のようにじゃれあいながら。
笑いあいながら瞳をあわせ、ゆっくりと唇を触れ合わせる。












だから、



今日は、



僕と忍足くんの愛が生まれた日。













END